満足度

この前読んだ『ゼロ秒思考』と似たタイトルだったので本書を読んでみました。

普段からぼくはバイアスを排して物事を客観的に見たり考えたりすることが大事だと思っているのですが、実際にそのようするのは本当に難しいことです。

0ベース思考を読めば0ベースで物事を考えられるようになれると思い、『ゼロ秒思考』のような内容を期待して読んだのですが、期待していたものとは全然違っていましたw

しかし、この本はこの本で良かったです。

本書は問題解決に役立つヒントをストーリー仕立てで紹介しています。

何度もクスッと笑えてしまうおもしろい話ばかりで、読み進めていくのが楽しくなりますよ。

ポイント

ほとんどの人が「自分は他人よりできる」と思っている?

ほとんどの人は「自分は他人よりできる、他人より知っている」と思っているそうです。

この事実は面白いですよね。

かく言うぼくも自分は平均よりもできるし知っていると思っています。

みんなそうなんでしょうね。

本当はそんなはずはないでしょうに。笑

ぼくも含め、多くの人は自分の能力を高く見積もり、知ったかぶりをしてしまっているのでしょう。

この事実を知っているだけでもっと謙虚であろうと努めることができるので、この事実を知らない多くの人より優位に立つことができたのではないでしょうか。←

小林尊は0ベース思考でチャンピオンになった?

なんと本書では、日本が誇るフードファイターの小林尊さんの話も紹介されています。

小林さんは見た目は細くて、とても全米で一位になれるような人には思えませんよね。

実際にそもそも小林さんは全然大食いではなかったそうです。←本当かよwww

どうしてそんな小林さんがホットドッグの早食い競争で全米チャンピオンになれたのかというと、ほかの人がこれまでしてこなかったような食べ方(戦略)をしたからです。

ぼくからしたら「よくこんなこと思いつくなー(笑)」と思ってしまうような戦略ばかりで驚きました。

そのような一風変わった戦略をとることができたのは小林さんが問題をゼロベースで正しくとらえ直すことができたからです。

この小林さんの成功した話は他のことにも応用できると思います。

どんな「答え」を見つければ上手くいくか

ではなく、

そもそもどんな「問い」を立てれば上手くいくか

ということを小林さんは考えました。

つまり、問題のいい答えを見つけることも大事ですが、いい問いを立てることにフォーカスしていくことも大事だということですね。

脳への「だまし」が限界を押し広げる

人は勝手に自分で自分の限界を作っているそうです。

誰もが物理的、経済的、時間的など、いろいろなバリアに日々ぶつかっている。

本物の手ごわいバリアもあるが、まるで人為的なものもある。

たとえば何かの制度がどれだけうまく機能しそうかとか、変化がどこまで許されるのかとか、どうふるまうのが無難かといった期待がそうだ。

今度、想像力や意欲や創造性に欠ける人たちが勝手にこしらえたバリアにぶつかったら、全力で無視してみよう。

問題を解決するだけでも十分難しいのに、最初から無理だなんて決めつけていたら、解決できるものもできなくなってしまう。

実は小林さんが早食いチャンプになれたのも限界を設けなかったからでもあるんです。

普通だったら過去の記録から自分の可能性をはかりますよね。

例えば100メートル走の世界記録が9秒58なのに4秒台を目指して走るような人はいません。

しかし、小林さんは過去の記録を受け入れませんでした。

そのおかげで過去の記録を大きく塗り替え優勝することができました。

ちなみに当時の記録が12分間で25と8分の1本のホットドッグだったのに対し、小林さんが食べたのは50本でした。

これは9秒台の100メートル走の世界記録を4秒台に塗り替えたのと同じです!

過去の記録にとらわれていたらそんなすごい記録は出せません。

このことから、自分の中で限界を作ってそれにとらわれてはいけないということがいえますね。

人が一番強く反応するインセンティブは何か?

人はどんなインセンティブに最も衝き動かされるのでしょうか。

例えば電力消費を抑えるインセンティブはどうでしょう?

  1. お金の節約になる(金銭的インセンティブ)
  2. 環境保護になる(道徳的インセンティブ)
  3. 社会のためになる(社会的インセンティブ)
  4. 多くの人がやっている(群集心理インセンティブ)

意外かもしれませんが、群集心理によるインセンティブが最も強いという実験結果が出ました。

自分の考えをしっかり持って行動するアメリカ人ですらこの結果ですから日本人ならもっと群集心理に影響されるんでしょうね。

上手にやめる

ぼくたちはどうしても「やめる」ということに対してマイナスなイメージを抱きがちです。

それはやめるということが失敗であるかのようにこれまで散々言われてきたからなのかもしれません。

また、これまでやってきたことがやめることによって無駄になってしまうと考えているのかもしれません。

しかし、「やめる」ということはある意味では「勝利」でもあるのです。

一度やってみて上手くいかなかったら上手くいかないことが分かっただけでも成功です。

また、莫大なコストを割く前に「やめる」ことによってできたリソースを他のことに充てることができるので、それが新たな成功を生み出します。

昔から失敗は成功の基ともいいますし、投資の世界でも損切りはめちゃくちゃ大事な考え方です。

上手くいかないと分かったらすぐにやめて他のことを始ることが勝利に近づく道なのかもしれませんね。

まとめ

読み物としては非常に面白い本でしたが実生活でどう役に立てるかはその人次第です。

個人的には、これまでリソースを割いてきたことに感情的にならず、合理的にスパッと上手にやめることができるようになったらいいなと思っています。

 

本書はページ数が多く、人によっては長々と話されている割には実りが少ないと思われるかもしれません。

また、本書はいわゆるハウツー本ではないので、読んで0ベース思考が身につくというわけではありません。

しかし、先入観を持たず問題をシンプルにとらえる、つまり0ベースで考えることの重要性をストーリーを通して学ぶことができます。

難問に直面しても、本書で得たヒントを元に、目のつけどころを変えて、子供のような素直な心で自由に考えていけば意外と解決できる問題は多いのではないでしょうか。

本書を読めば年をとるにつれて失っていた「子供心」を思いだし、視野をもう一つ広げることができますよ。