満足度

最近は自分の持っている資産をどう投資するべきかいろいろ考えています。

ぼくらの世代では年金は期待できないので、投資でお金を増やさないと老後に困ってしまいますからね。

そこで、投資を始めたばかりのときに読んでものすごく感銘を受けた、投資のバイブルともいうべき本書を再び読み直してみました。

本書は個人投資家向けのわかりやすい投資ガイドで、相場で勝つことがいかに難しいことなのかを教えてくれます。

相場で勝ち続けている人への戒めのためにも、相場で勝てない人が最適解を知るうえでも読む価値のある一冊です。

書評

テクニカル分析は無意味

株で勝つための戦略としてテクニカル分析を使うというものがあります。

これは過去のチャートから優位性のあると思われるパターンを見つけることにより儲けようというものです。

そのテクニカル分析に関する結論がこちら。

このテクニカル・ルールに関しては、徹底的なテストが行われてきた。
いくつかの主要取引所を対象に、また二〇世紀初めにまでさかのぼる膨大なデータが、そのために用いられた。
そして過去の株価を分析したところで、将来の株価を予測するのに何の役にも立たないというのが、その結論である。

本当にそうなのか!?

と疑いたくなってしまいますが、もし仮に優位性のあるチャートパターンがあるなら誰もが勝てますし、それをみんながやることによってその優位性はなくなります。

それにもし万が一規則性に気づくことができれば、誰にも教えずにひっそりと取引しますよね。

そちらのほうが大きく儲けられますから。

 

そうはいってもテクニカル分析で儲けたという人は現実にいます。

しかし、バイアンドホールドで儲けた人がいるのも事実です。

過去のデータによれば、テクニカル分析は取引コストや税金を考慮すると、バイ・アンド・ホールド戦略を継続的に上回るパフォーマンスを上げることはできないのが実情です。

テクニカルが役に立たないというのは、個別株においてテクニカル分析をしているぼくには受け入れられません。

だってタートル投資術ではブレイク手法が使われていますしおすし(;´Д`)

ファンダメンタル分析も当たらない

ファンダメンタル分析は企業の業績を見て、今の株価が割安か割高かを判断する手法です。

企業の業績はこれまでの業績に加え、将来の業績予想も含みます。

数字や実物を見て判断するファンダメンタル分析はチャートを見るテクニカル分析より手堅くて信頼できそうですよね。

しかし、イギリスとアメリカの研究によれば、企業の過去の経営実績と将来の成長の間には、信頼に足るような因果関係がまったく見られないということがわかりました。

また、著者の行った研究で、アナリストの短期(一年後)の予想も長期(五年後)の予想もまるであてにならないということも明らかになりました。

しかも、一年後の予想のほうが五年後の予想よりも悪かったそうですw

テクニカルに続き、このファンダメンタルのデータも驚きですよね。

ぼくは個別株を分析する際はファンダメンタル分析も使っています。

そして、何より世界一の投資家であるウォーレン・バフェットもファンダメンタル主義者です。

それなのにファンダメンタルがあてにならないというのはやはりおかしいですよね。

しかしなんと、バフェットの師匠であるベンジャミン・グレアムがファンダメンタル分析の優位性に対して生前疑問を抱いていたというのです。

……もはや、どんなに精巧な証券分析テクニックを用いても、他人より優れたリターンを得ることはできないのかもしれない。
こうしたテクニックは、『証券分析』の本が最初に出版された四〇年前には確かに実りの多い行為だった。
しかし、状況は変わってしまった。
……(今日では)多大な努力を費やして分析を行ったとしても、そのために必要なコストに見合った銘柄選択の効果を上げられるかどうかは疑問だ。
……私の意見は、「効率的市場」学派の方に近いと言えるだろう。

グレアム先生がそう言ってる以上、ファンダメンタルで勝つことは難しいのでしょうか・・・

それでもぼくはファンダを使い続けますけどね(; ・`д・´)

ファンドマネージャーも市場平均に勝てない

投資をする方法として、投資信託(ファンド)を買うという方法もあります。

そのファンドの中でもプロのファンドマネージャーが資金を運用するアクティブファンド、指数に連動するインデックス・ファンド(パッシブファンド)があります。

最近話題のひふみ投信はアクティブファンドです。

アクティブファンドはプロに任せる分コストがかかりますが、プロが運用しているのですから当然インデックス・ファンドよりも資金を増やせそうですよね・・・

平均的な投資信託のパフォーマンスは、
広く分散投資されたインデックス・ファンドにバイ・アンド・ホールド戦略で投資した場合のパフォーマンスを上回ることができなかったのである。
言い換えれば、長い期間で見ると、プロが運用する投資信託も、ランダムに銘柄を選んで作ったポートフォリオも、パフォーマンスは変わらなかったということだ。
特定の短期間をとれば、素晴らしいパフォーマンスを達成するファンドもあった。
しかし、一般的に優位なパフォーマンスは長続きしなかったし、どのファンドが将来どのようなパフォーマンスを上げるのか、全く予想がつかないのだ。

パフォーマンスが変わらないのであれば、信託報酬などのコストや税金のこと考えると、インデックス・ファンドに優位性があるということがいえます。

20年という長期で見てもインデックス・ファンドに勝る投信はあったようですが、その数は偶然の域を出ないものであり、何しろどの投信がインデックスに勝てるのかが事前にわかりません。

なので、どの投信を買うべきかは関してはもう答えがでています。

インデックス・ファンド一択です。

現代ポートフォリオ理論

現代ポートフォリオ理論とは、ハリー・マーコビッツによって発表されたもので、分散投資をすれば同じリターンでもリスクを減らすことができるというものです。

たとえば新興国の株式のようなリスクの高いものでも相関性が低ければ、それをポートフォリオに加えることによってポートフォリオ全体のリスクが低下します。

リスクの高いものを加えたらリスクが減るんですから不思議な話ですよね。

一見不思議な理論ですが、この理論は効率的市場仮説が正しければ、最も効率的なポートフォリオであることが数学的に証明されています。

しかし、この理論の前提である効率的市場仮説というのがあやふやなので現代ポートフォリオ理論が正しいとは言い切れません。

仮に本当に市場が効率的であればバブルも暴落も起きませんからね。

著者は

バブルですらいずれおさまって市場は正しい方向に向かう

というようなことを理由に挙げて効率的市場仮説の正しさの根拠としますが、その論理はかなり苦しいです。

よって市場が効率的であるかわからない以上、現代ポートフォリオ理論も最も効率的であるとは言えません。

余談ですが、この現代ポートフォリオ理論の考えは正規分布に基づくものなので、『まぐれ』や『ブラック・スワン』の著者であるタレブのおっちゃんからすれば非難の的でしょうね(;’∀’)

この本をどう活かすか

本書の副題は「株式投資の不滅の真理」です。

  • ファンダメンタル分析もテクニカル分析も役に立たない。
  • ほとんどの人は市場平均にすら勝てない。
  • だから市場平均をとるインデックス・ファンドを買うのがもっとも賢い戦略。

こういった主張が真理といえるかわかりませんし、納得がいかない点もあります。

しかし、現時点では凡人が資産を築くための最適解はインデックス投資だと言わざるを得ません。

ここまでデータがそろっているのですから、これ以上の投資戦略を理論的に説明するのは不可能です。

たしかに効率的市場仮説に関しては間違っていると思います。

それでも他の投資手法がインデックス投資より優れていると示すことはできません。

 

さて、インデックス投資がいかにすばらしい戦略であるかわかりました。

それが頭でわかっていても、ぼくは全資産もしくは資産の大半をインデックス投資に向けようとは思いません。

インデックス投資は退屈ですし、何より自分は市場平均を超えるパフォーマンスを上げることができると信じているからです。

自分だけは!

とみんな思っちゃうんですよね。

ぼくもそのうちの1人です。

そうはいってもインデックス投資は有効な投資戦略ですから投資資金が増えればインデックス投信を買っていきます。

IDECO(確定拠出型年金)を利用すれば、税制上有利になりますからね。

有効な投資手段と制度を使わないのはもったいないです。

 

トレードでなかなか勝てないという方やこれから投資を始めようという方は本書を一度じっくり腰を据えて読むべきです。

投資で継続的に市場平均を上回る成績をおさめることはそもそも困難であり、テクニカルもファンダメンタルも特別な優位性がないということがわかれば、それだけで視野がグンと広がり、考え方も変わるはずです。

インデックス投信をポートフォリオに加えれば、資産は着実に増えるので人生はイージーモードになります(*´▽`*)