満足度

運動は良いものとわかっているのですが、やるのはしんどいですし面倒くさいのでなかなか行動に起こせません。

そこで運動がやりたくなりそうな本書を手に取ってみました。

本書はどうして運動が大切か、運動が心や体、そして脳にどのような影響を与えるのかについて様々なエピソードや実験結果を交えて述べられています。

ページをめくると専門用語が多く最初は尻込みしましたが、書かれている内容はどれも新鮮で興味深いものばかりでどんどん読み進めてしまいました。

本書を読み終えたらあなたも運動を継続させる決意が固まるはずです。

ポイント

運動で貧困の連鎖を断ち切れる?

健康な子供とそうでない子供には学力の差が大きくあります。

CDEの二〇〇一年の調査では、健康な子どもの学力検査の点数は、そうでない子どもの二倍も高かった。

一例として、カリフォルニア州の二七万九〇〇〇人の九年生について見てみよう。

フィットネスグラムの六項目すべてに合格した生徒は、スタンフォード標準学力テストで数学が六七パーセンタイル(母集団が一〇〇人とすれば下から六七番目)、リーディングが四五パーセンタイルだった。

たいしたことないじゃないかとお思いなら、フィットネスグラム六項目のひとつしか合格しなかった生徒の成績をお教えしよう。

数学が三五パーセンタイル、リーディングが二一パーセンタイルだ。

CDEの二〇〇二年の再調査では、社会経済的地位も考慮に入れた。

予想された通り、生活水準の高い生徒は学力テストの点数も高かったが、低所得者層だけで見れば、健康な生徒の方がそうでない生徒より成績がよかった。

このデータは素晴らしいですね。

塾に子供を通わせるにはお金がかかりますが、運動は基本的にはタダです。

子供に運動をさせて健康にすれば学力は上がります。

つまり、運動をすることによって貧困の連鎖を断ち切ることができるのです。

貧困の連鎖の問題は根深いものがありますが、こんな方法で解消させることもできるんですね。

運動で学習効率が上がる

運動をすると頭がスッキリしその後勉強に集中できるというのは、何となくではありますがこれまで実感してきました。

しかし、それだけではなく運動は細胞レベルで学習に直接影響し脳の機能を高めているんだそうです。

「実験での証明はむずかしいのですが、運動の明らかな特徴のひとつは学習効率を向上させることです。

これは最も重要なことだと思います」

とコットマンは言う。

「なぜならそれは、体の健康を保てば学習も仕事も効率よくできることを意味するからです」

実際、二〇〇七年にドイツの研究者グループが人間を対象として行った研究では、運動前より運動後の方が二〇パーセント早く単語を覚えられ、学習効率とBDNF値が相関関係にあることが明らかになった。

また、遺伝子の変異のためにBDNFが作れない人は、学習障害である可能性が高い。

ミラクルグロがなければ、脳は世界から孤立してしまうのだ。

※BDNF:脳由来神経栄養因子を参照

学習効率を上げ、学力が上がるのであれば学校は体育の授業をもっと積極的に行うべきですね。

また、受験生や資格試験の勉強をしている社会人も運動をすべきです。

運動は学習効率が上がり、他にも様々な効能があります。

時間がないという人は勉強する時間を削ってでも運動する時間を設けましょう。

ストレスはそんなに悪いものじゃない?

ストレス」と聞くだけで悪いものだと思ってしまいませんか。

しかし、ストレスは何も絶対悪というわけではないんです。

コントロールこそが鍵となる。運動は、心と体にかかるストレスをたくみにコントロールし、細胞レベルにもはたらきかける。

しかし、運動そのものがストレスの一種なのだとしたら、そんなことがあり得るだろうか。

実は、運動によって引き起こされた脳の活動は、分子サイズの副産物を生み出し、それがニューロンを傷つけるが、通常は修復メカニズムがはたらいてニューロンはむしろ強くなり、今後の問題に対処できるようになるのだ。

コニューロンは筋肉と同じように、いったん壊れて、より丈夫に作り直される。

ストレスによって鍛えられ、回復能力を増していくのだ。

こうして運動は心身の適応能力を磨き上げていく。

述べられている通り脳を鍛えることと筋肉を鍛えていくことは非常によく似ていますね。

また、免疫系ワクチンが効くメカニズムも似ています。

このことから適度なストレスというのは悪いものではなさそうですね。

運動をすることによって脳や体はストレスを受けます。

しかし運動は自発的にするものなのでストレスを予測することができますしコントロールもできます。

運動によって適度なストレスを脳や体に与え心身ともに強くなりましょう。

大勢でやればなおよい

運動をするのは肉体的に苦しいですし、精神的にもきついですよね。

社会的な相互作用がもたらす刺激によって脳は強い影響を与えられ、ストレスによるマイナスの影響を防ぎ、ニューロン新生を促進するんだそうです。

パートナーがいればつらいことも乗り越えられますし、楽しくなりますよね。

また、誰かと一緒だと運動を続ける動機にもなります。

おまけにニューロンが作られるのであれば運動はなるべく誰かと一緒にした方が良さそうですね。

そうは言っても一人で走ること自体は悪いことではなく、これまで述べられてきた効果があり断然いいことなので臆せずやりましょう。

その他にもいろいろ

本書には他にも運動によって得られる効能がたくさん述べられています。

  • 不安がやわらぐ
  • 気持ちが前向きになり、幸福感が高まる
  • よく眠れるようになる
  • 集中力が高まりやる気が出る
  • 自分をコントロールし衝動に打ち克つことができるようになる
  • 母体や胎児、女性全般に良い(ホルモンの変動に対して準備ができる)
  • 老化を遅らせ心身ともに健康でいられる

これはすごいですね。

まさに運動の可能性は無限大です!

まとめ

ここまで運動の素晴らしさを知ると運動をしないことが馬鹿らしくなってきますね。

こんなにたくさんのことが分かっているのに国がなぜ運動を推進しないのか疑問です。

医療費は削減されるでしょうし、学力も上がり仕事の生産性も上がります。

みんなハッピーになることばかりです。

忙しくて運動をする暇がないよ!

とおっしゃる方にこそ本書は最適です。

逆に運動をすることによって仕事の能率が上げ、ゆとりある生活を送りましょう。

まずは運動の時間を確保することから始めてみてください。

とにかく本書の「こんな運動をしよう」に書かれている運動を実践しそれを継続し習慣化させることです。

そうすれば人生のあらゆることが上手くいくはずです。

 

あと、運動の良さを本書で知りつくしちゃった感があるので「運動はするな!」系の本も読まなければいけませんね。

(『なぜ、健康な人は「運動」をしないのか?』を読みました。)

考えに偏りができないようにいろんな考えの人の本を読みましょう。